1kgあたり2g 1kgあたり2g
DUAL AISASモデルとハロウィンレッドナイトフラペチーノ

「ハロウィンレッドナイトフラペチーノ買ってきて。」仕事帰りにスマホを見ると、妻からそうメッセージが飛んできた。


何のことだかよくわからなかったので詳しく聞いてみると、スタバの新作フラペチーノとのこと。インスタで友達が投稿しており、自分も飲みたくなったそうだ。


「いや、自分で買いに行けよ...」という邪悪な心の声を押し殺しつつスタバへ向かうと、レジ前に女子高生の行列が。学校終わりだからなのか、店内に響き渡る声のボリュームで盛り上がりをみせていた。


「自分も高校生の頃はこんな感じだったなあ」としみじみしつつ、スマホをいじりながら列で待つことに。


すると前の女子高生達から、「インスタでどのタグ使おうかなあ~」「この写真かわいくない?」「~ちゃんもハロウィンレッドナイトフラペチーノ飲んだらしいよ!」という声が聞こえてきた。


約5分ほどの待ち時間ずっとインスタで盛り上がる様子を横目に、気になったのでスタバの公式インスタアカウントをチラッとのぞいてみた。


すると、まず目に入るフォロワー数200万人という数字に驚く。それだけではない。1つ1つの投稿にも数万単位の「いいね!」がついていおり、商品名やイベントごとにタグも用意されている。今回で言えば「#スターバックスマスカレード」というように、購入者が迷わずインスタにあげられるよう工夫も至る所にほどこされていた。


比較的クローズドなSNSとして有名なインスタだが(シェアやリツイート機能がないため)、スタバは商品体験の共有をうながす仕組みをしっかりと確立しており、消費者もまた「購買→共有」という仕組みにのることを理解し、楽しんでいる。


実際、念願のハロウィンレッドナイトフラペチーノを手に入れた妻も例にもれず、「写真撮影→体験(フラペチーノを飲む)→感想とタグをつけインスタへ投稿」という一連の行動を、何のためらいも疑いもなく、ただただ楽しんで行っていた。


この「購買と共有の循環」は、妻のインスタを見るフォロワーへと続き、またそこでも新たな循環を生み出し続けていくことになるのだろう。


そしてこの循環はつまるところ、マーケティングでいうAISASモデルの成功事例としてとらえることができる。より正確に言えば、SNSチャネルで重要とされるDUAL AISASモデルの圧倒的な成功事例だ。


ご存じの方も多いとは思うが、ダブルファネルマーケティングを意識したDUAL AISASモデルの実現は非常に難しいと言われている。なぜなら、「誰かと共有したい(コミュニケーションとしての関心)」と「自分も購入・体験したい(購買としての関心)」は必ずしも一致しないからだ。


例えば、ナポリタン味のガリガリ君。アイスクリームなのにナポリタン味ということで話題にはなったが(コミュニケーションとしての関心は刺激できたが)、購買には結びつかず、結果として約3億円の赤字を生み出してしまったと言われている。


もちろん認知広告としての効果にフォーカスしたと考えるならば成功かもしれないが、購買まで考えるAISASモデルとして大失敗といえるだろう。この例からも、ただ面白いといった話題を生み出すだけでは不十分で、「コミュニケーション欲求」と「購買欲求」を同時に刺激する必要がある、DUAL AISASモデル実現の難しさがわかる。そして同時に、上にあげたスタバの仕組みの完成度の高さをうかがうことができるのだ。


...


といった一連の話をハロウィンレッドナイトフラペチーノを飲む妻にしてみたのだけれど、「あ、そう」の一言で片づけられてしまったので、こちらに投稿させていただいた。